2019.10.31
真似できないセンス。
新宿伊勢丹の1Fイベントスペースで開催されていた、建築家の長坂常さん率いるスキーマ建築計画×Casa BRUTUSによるBANG&OLUFSENのポップアップストア。 日本の伝統建築技術である「木組み」で構成されたステージに、ヨーロッパの最先端デザインプロダクトが点在した空間は、まさに長坂さんの世界観。 長坂さんが手がける空間には、「ブルーボトルコーヒー」などでも見られるように、独特の「余白」があって、それがあの心地よさを生み出しているのではないか、と勝手に想像したりして。。 デザインしすぎない。というと少し語弊があるかもしれませんが、「変える=魅せる」部分と「残す=引き立てる」部分のバランスが絶妙で、これが「真似できない、オリジナルのセンス」というものなのかなって思います。
2019.10.17
墨出し。
オーダーキッチンを納める上で大切な作業の一つに「墨出し」というものがあります。 水栓器具や食器洗浄機、ガスやコンセントなどが床から立ち上がる位置をあらかじめ図面に則って床下地に記しをつけるのですが、記しの位置を間違えると場合によってはとても大変なことになってしまうので、毎度のことながらいつも緊張しながら墨出し作業を行います。 心配性で臆病者のぼくは、いつも3回ぐらい寸法を確認してしまいますが、3回は計りすぎにしても、墨出しはその後に施工する設備屋さんや電気屋さんにとってとても大切な目印になるので、多少石橋を叩きすぎるぐらいがちょうどいいかなって思っています。 という調子なので、毎回墨出しを終えたあとのコーヒーは、いつも以上にホッと一息つけてとても美味しいのです。
2019.10.01
旭川出張。
東京もまだまだ夏の名残りがあるけど、旭川も負けじと暑かった。 さすがに半袖だけではまずいと思って、ウィンドブレーカーをカバンの中にいれておいたけど、結局出番はありませんでした。 Basisのキッチンや家具は、木工を中心に主に北海道旭川で製作しています。 そのため、だいたい年に4回から5回ほど、検品や打合せを目的に旭川を訪れます。 ちなみに、基本的に日帰りです。 5時2分の初電で羽田空港に向かい、最終19時30分の飛行機で帰ってくるので、身体は少ししんどいけど、朝から晩まで1日が無駄なく使い切れて、とても効率がいいんです。 今回の目的は、今年の夏から新たににお付き合いさせていただくことになった製作工場へ、初めての検品。 製作工場それぞれ、得意とすることや苦手とすることが異なり、作り方も若干変わってきます。 提携先が増えるということは、相手に合わせて図面の書き方や打合せの進め方も変えていく必要があるので、正直大変な部分もあるけど、いろいろな職人の方と協働することでぼくのアイデアの引出しが増えて、結果的にお客様により良いご提案につながっていきます。 だから、新しいチャレンジをとても大切にしています。 もちろん、製作を依頼する前に、あらかじめ工場を見学させていただき、ある程度クオリティの確認はしているので心配はしていないけど、それでも初めて製作していただいた製品を見るときは、少しドキドキします。 結果は、思っていた以上の仕上がりで、まずは一安心。 あとは金物など細かい部分のすり合わせをして、出荷の準備を進めていきます。 午後に予定している別の製作工場との打合せまで少し時間が空いたので、旭川市内にあるアルフレックスの製作工場へ。 工場の一角に自社製品の展示スペースがあって、誰もいないことをいいことに、座り心地や構造、カバーリングの方法などじっくり見学させていただきました。 アルフレックスのソファは、一般的なスプリング構造のソファと異なり、基本的にモールドウレタンでの一体成型方式なので、独特の座り心地が得られて、すごく心地よいんですよね。 カバーリングの縫製もすごくキレイ。とても勉強になります。 もう一社、旭川家具の雄であるカンディハウスも見学。 広大な敷地に工場や本社の建物が点在していて、本社のワンフロアがショールームになっています。 それが、たぶん体育館3個分ぐらいの広さがあって、ワンフロアがこんなに広い家具のショールームを初めてみました。 見学中、ずっと新人のスタッフの方が案内していただいたのですが、思わず「毎日掃除するの、すごく大変じゃありませんか。」と野暮な質問をしてしまいました。 どうやら、毎週1日、社員総動員で掃除するみたいです。そりゃそうですよね。。 客でもないので、「接客いただいても、なんかお役に立てずごめんなさい。」と正直に申し訳ない気持ちをお伝えしましたが、それでも丁寧にじぶんの言葉で製品の説明をしていただいて、なんだかとてもうれしい気持ちになりました。
2019.09.24
個性豊かな家具たち
イタリアのラグジュアリー家具ブランド、ジェルバゾーニ。 日本で有名なイタリア家具といえば、カッシーナやB&B、ミノッティなど、どちらかというとモダンでスッキリしたデザインのイメージが強いですが、以外と「あれ、このソファはB&B?ミノッティ?」みたいな、モダンなデザインゆえにちょっと混合してしまうことがあります。 ぼくだけかもしれませんが。。 その点、ジェルバゾーニは、一つ一つの製品の個性が強く、一目でジェルバゾーニの製品だと分かるデザインが特徴です。 日本ではまだあまり知られていないブランドですが、海外のラグジュアリーホテルやレストランなどによく使われているイメージです。 あと、住宅展示場で異彩を放っている家具を見かけたら、ジェルバゾーニの可能性が高いです。 個性が強いので、好みが分かれるところですが、ラグジュアリーテイストが好きな方にはめちゃめちゃハマるブランドだと思います。 個人的にはこのアームチェアがオススメ。*ジェルバゾーニHPから転載 ジェルバゾーニ http://gervasoni.jp 表参道にショールームがあります。
2019.09.17
ハイエンドなキッチン機器。
キッチン設備機器メーカーのハイエンドブランド、ガゲナウ。 お客様からIHやバーベキューグリルなどガゲナウ製品のご要望があり、久しぶりに赤羽橋にあるショールームを見学してきました。 もう、さすがガゲナウです。 空間のレイアウトから展示什器の見せ方まで、全てが完璧にデザインされていて、全く隙がありません。 隙がなさすぎて、ぼくのような一介の人間はちょっと落ち着かなくなってしまいます。。 車で例えるならば、ポルシェのショールームにいるような心境です。 恐れ多くて行った事ないので、あくまで想像ですが。。 ステンレスの無垢板を大胆に使ったレンジフードや、アルミの削り出しで作られたオーブンレンジの扉など。 未だに一つ一つ手作りで、上質な素材を惜しみなくふんだんに使って製作された製品たちを見ていると、設備機器というよりは、むしろ腕時計やアクセサリーのような趣向品に近い印象です。 スタッフの方から「製品に使われる素材やディテールにとても強いこだわりがあり、10年お使いいただいたあとでも、ほとんど経年劣化しないのが、ガゲナウの特徴です。」とお聞きして、なるほど、たしかにこれだけディテールにこだわりながら上質な素材を使えば経年劣化しないかもって、同じモノづくりをしている端くれとして、すごく共感するものがありました。 ブランドイメージだけでなく、製品として真に質の高いキッチン設備機器を探されている方は、ガゲナウが間違いなくハマると思います。
2019.09.14
ヒュッゲ。
ヒュッゲは、デンマーク語で「温かく心地よい時間や空間」を表す言葉。 最近、いろいろなインテリア雑誌などで取り上げられているので、耳にする機会も多いと思います。 実は、ぼくも去年初めてヒュッゲを知りました。 これは、ヒュッゲを楽しむための10の決まりごと。 1つ1つのことばに、とてもハッとさせられます。 つまり。 心地よいインテリアをつくるには、まず「気持ちにゆとりを持ちましょう」という事なのかな、とじぶんで勝手に拡大解釈してしまいましたが、きっと、それに近いニュアンスのことが根底にある気がします。 ヒュッゲについて詳しく知りたい方は、こちらの本がオススメです。 ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方
2019.09.09
ててて往来市
「手仕事でのモノづくり」をテーマに、渋谷ストリームで開催されている展示会「ててて往来市」に行ってきました。 ちなみに、渋谷ストリーム自体も今更ながら初めて訪れました。 レストランフロア、カッコよかったなぁ。。 出展者のジャンルも、木工やファブリック、器はもちろんのこと、ジャムやお茶にろうそくまで実に多彩で、このジャンルの広さが他の展示会ではあまり見ない、ててて往来市ならではかもしれません。 大変お恥ずかしながら、、 「まな板」と「カッティングボード」の明確な違いを初めて知りました。 めちゃめちゃ要約すると、まな板はナイフの刃こぼれを防ぐためにヒバやヒノキなど柔らかい木を使って、カッティングボードは肉やパンなど硬いもの切るようなギザギザナイフに耐えるようチェリーやメープルなど硬い木を使うそうです。 なので、カッティングボードでまな板用のナイフを使うと刃こぼれしてしまい、逆にまな板でカッティングボード用のナイフを使うと、まな板が傷ついてしまいます。 和ろうそくとお誕生日ケーキについてくるいつも見慣れたろうそくの一番の違いは、炎の大きさみたいです。和ろうそくは芯がとても太いので、その分炎も大きく、しかも液垂れしないとのこと。 まだチビたちが小さいから我が家では難しいけど、北欧みたいにろうそくの光で夜を過ごせたら、それだけで最高のインテリアになると思います。 「お箸をコミュニケーションツールに。」がコンセンプトのお箸たち。それぞれイニシャルが刻印されていて、一本ずつ購入可能とのこと。少し短めなので、箸としてだけでなく、串としても利用可能。 たとえば、ホームパーティーで串刺しされた唐揚げを「WELCOME」に並べたり、コップを間違えないように自分のイニシャルが刻印されたお箸をマドラー替わりに、など。 このアイデア、すっごくいいなぁ。。 改めて感じたのが、みんな製品の良さだけを売りにしていないこと。 なんでも簡単に手に入る時代、もはや製品のクオリティが高いのは当たり前。 高品質が前提のうえで、製品ができるまでのストーリーやオーナーの尋常ならぬこだわりなど、全部ひっくるめて「世界にひとつだけの価値」を作っている気がします。 モノづくりの世界も、どんどん変わってきています。
2019.08.23
突板をアート作品へ。
大阪にあるオーダーメイド突板メーカーの安多化粧合板さんが、今年の春、ミラノサローネに出展した展示会の回顧展が外苑前のオリエアートギャラリーにて始まりましたので、昨日打ち合わせの合間にお邪魔してきました。 総勢6人の突板メーカーが、世界最高峰の家具展示会であるミラノサローネに出展する。 しかも、展示内容は製品(オーダー突板)のプロモーションではなく、オーダー突板をキャンバス替わりに製作したアート作品として世界に発信する。 行動力はもちろんのこと、このセンスはなかなか真似できません。。 そして、このようなチャレンジを積み重ねることで、きっとブランドはつくられていくのかなと思います。 改めて安多化粧合板のファンになりました! 安多化粧合板ホームページ
2019.08.20
ソファベンチの座り心地。
いま進めている造作ソファベンチの座り心地を確認するために、お客様と一緒に横浜にあるソファ工場に行ってきました。 計画図面を見ながら実際のシート高さや奥行きになるように木枠などを設置した上で、硬さの異なるウレタンを組み合わせながら好みの座り心地を探っていきます。 座り心地は、ウレタンの組み合わせだけでなく、シート高さによっても変わってくるので、試す時は必ずシート高さも意識することがポイントです。 いつもは「硬め」とか「柔らかめ」など大まかな座り心地のお好みをお伺いした上で、事前に職人と取り決めしているウレタンの組み合わせの中から最適なものを選びますが、座り心地にこだわりたい場合は、今回のように工場に出向いてソファ職人と相談しながら硬さを調整することも可能です。 工場まで足を運ぶ分、少し手間と時間は掛かりますが、自分の身体で体感しながら座り心地が調整できる上、ソファ職人との対話を通じてソファづくりの奥深さも知ることができます。 ふだんなかなか経験することのできない、とても貴重な体験になると思います。 ソファベンチをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください♪